学校医部会の活動紹介


学校医部会 部会長 新納憲司

 学校医になるためには、内科校医の場合、まず学校長が市教育委員会に依頼しそこから横浜市医師会に推薦依頼が届きます。次に市医師会から該当区の医師会に依頼を行い、そこで該当区の学校医部会幹事らが協議し、市医師会へ推薦が上げられた後、教育委員会に推薦し新任学校医の任命(辞令)が行われます。そして4月には新任学校医の研修を受けることになります。そこでは学校医の役割から始まり、内科においては皆さんがよくご存じの就学時健診、定期健康診断、結核健診などについて研修し、眼科、耳鼻科医はそれぞれの管理指導を学んで一人前の学校医(?)としてそれぞれの学校に配属されます。
 その他特別検診として 1)横浜市児童生徒学校心臓病検診 2)横浜市児童生徒腎臓検診 3)横浜市児童生徒尿糖陽性者検診があります。
 学校医部会にはその他、三委員会 1)感染免疫委員会 2)こころの問題委員会 3)小児生活習慣病委員会があります。 
 今回は、小児生活習慣病委員会の活動の一部を紹介します。肥満の予防は将来のメタボリック症候群や疾病発症の予防につながる重要な課題であり、成人のみならず幼小児期からの課題でもあります。厚生労働省は健康日本21計画で平成22年度までに肥満傾向のある児童生徒の割合を7%にまで減らすことを目標にかかげました。肥満傾向の判定には代表的なものとして4種の判定方法 1)日比式 2)ローレル指数 3)BMI 4)身長別標準体重がありますが、市町村で判定方式が異なり、横浜市ではローレル指数を用いています。
 平成20年より大人では特定健診という形で、腹囲80cm以上を対象に血中脂質、血圧、血糖を測定してメタボリック症候群の診断で生活指導が義務づけられました。厚生労働省では子ども(6歳から15歳まで)のメタボリック症候群の診断基準を作りました。基準としては腹囲が重視され、男女とも80cm以上を「赤信号」としました。メタボリック症候群の予備軍として腹囲が男女とも80cm以上かあるいは身長の半分以上で、3項目(血中脂質、血圧 血糖)のうち1つに該当する者を予備軍とすることにしました。image28.jpgこの「赤信号」を早く見つけるために家庭で腹囲を測定して、肥満、メタボリック症候群の意識付けが出来ればと思い、数校にお願いして予備試験を行っております。学校健診で腹囲を測定し 「赤信号」に該当する子どものうち希望者に血液検査を行い、その検査結果で、 メタボリック症候群にならないように指導しております。
 家庭でも腹囲を測定し、この「赤信号」に早く気づいてほしいと思っております。