はっきりと見られる状態で快適な学校生活を 


学校眼科医部会 部会長 池袋信義

 学校眼科医として毎年学校保健に関わっている事について述べてみたいと思います。

定期健康診断 
 感染性結膜炎などの眼疾患や斜視などの眼機能異常を見つけ、必要があれば眼科での治療や検査を勧めます。この一年間の学校生活を清潔で快適に送れるように毎年4~6月に行っています。

低視力児童の対応
 新学年になると視力検査が行われ、0.9未満の児童に眼科受診のおすすめを出して各医療機関にて精密な視力検査を行います。受診の結果は集計し、1月の横浜市学校保健大会にて報告されます。屈折異常(近視、遠視、乱視)を特定し視力が悪い児童には眼鏡装用を勧めます。高学年になるとともに近視の児童が増えてきます。近視は、成長期に急に進むことがあり毎年の視力検査は欠かせません。


色覚異常 
 以前は小学校4年生のときに検査をしていましたが、昨今の個人情報等のあおりで差別化の問題もあり、平成15年度から中止になりました。しかしこれは大問題で本人が気付かず、知らずに就職や進学して色の変化がわからず問題が生じることが少なからず見られます。早めに検査を受けて自分の体質を認識することが必要です。
希望者には、学校で簡易的検査を致しておりますので養護教諭にご相談ください。

就学時健康診断
 11~12月に就学前の児童に対して眼疾患の健康診断を行っています。しかしこれまで視力検査は行われていませんでした。平成22年度から行われるようになりました。学業に支障がないような視力であるか、また片眼の弱視を発見するためにも就学前の視力検査は必要です。