学校医部会活動報告


学校医部会 副部会長 和田 廣己

 現在各学校には内科、眼科、耳鼻咽喉科の3名の学校医が配置されている。いや、3名しか配置されていないというべきかもしれない。
 なぜなら学校保健安全法は「脊柱側弯症」の検診を義務付けており、現在学校現場においては内科校医がこれに対応しているわけであるが、勿論内科校医にとって脊柱側弯症は専門外であるため、必然的にその検診内容に関しては様々な問題が生じざるをえない。とりわけ横浜市の学校健診における側弯症検診の実態は、全国と比肩しても決して充分なものではなくその検診の充実が望まれるところである。
 この様な現状を少しでも改善すべく我々学校医部会は、今年度の総会研修講演会で「脊柱側弯症の学校健診」をテーマに講演を行い検診内容のレベルアップに努めた。
 側弯症検診は一昨年の全国学校保健大会においてシンポジウムのテーマにも取り上げられており近年注目されている。そこでの報告によると、側弯症の一次検診陽性率は小学生で0.47%、中学生で1.62%であるが検診の取り組み方により陽性率には差が生じるそうである。また、側弯症検診において最も重要な点は、上半身裸で背部の視診を前屈位でおこなうことであり、これを徹底し再確認する必要があること。さらには学校医だけでなく養護教諭にも協力してもらうことも有効な手段であり、前屈テストを含む側弯症の視診方法を示した説明用紙を親に配布し、親への啓発を行うことも重要と報告されていた。
 学校医部会では今後、横浜市でも側弯症検診の充実が図れるように具体的な検討を行ってゆきたいと考えている。