「高校支部の活動について」


支部長 浜中 雅美

 横浜市学校保健会高等学校支部は、月1回程度のペースで活動を行っております。メンバーは、各学校医・各学校代表理事・養護教諭研究部会代表で構成され、高等学校の学校保健にかかわるあらゆる問題を協議・検討しています。総会でその年度のテーマを決め、問題解決や改善につながるよう話し合いがもたれています。中でもここ数年は、スクールカウンセラー全校配置の必要性についてとりまとめており、よりよい相談体制の確立にむけて検討を重ねてきました。その結果多岐にわたる相談内容に対応するには、各学校現場の自助努力だけでは不十分であること、外部機関との連携や保護者対応にあたっては専門家としてのスクールカウンセラーの存在が大きいことなどが明らかになりました。しかしながら、スクールカウンセラーの配置は、現在総合高校2校と定時制高校1校、拠点校1校の4校のみの現状です。そのため22年度も引き続き、このテーマに取り組んでおります。

 また秋には研修会・講演会を行っています。今年度は、性同一障害を乗り越えた方による講演会を開催し、ご自身の経験に基づいた具体的な話を聞くことができました。教師として「ありのままの人間を受け入れる」ことの大切さや、セクシャルマイノリティに関しての理解を深めることができた内容で、PTAの方や学校医の参加もありとても有意義な研修会となりました。

 その他の活動としては学校代表理事3名と養護教諭数名で研究委員会を構成し、4年一区切りで研究を行っています。平成18年から平成21年までは、「高校生のライフスタイル~市立高校生の食生活実態調査を通して~」という題目で、高校生の食生活の実態調査による客観的事実の把握と因果関係の分析、それに基づいた改善策を策定し、学校保健大会で本発表を行いました。平成22年度からの4年間は、「市立高校生のコミュニケーション能力を探る」というテーマを掲げ、不登校生徒の増加の原因にも挙げられているコミュニケーション能力に焦点をあて研究を行います。高校生の自己肯定感・自己表現能力・自己防衛感はどれほどなのか、アンケートを実施し実態を調査し、さらに不足しているスキルを探り、そのスキルを高める指導方法の研究に取り組む予定です。

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